本日は、『STUDIO D'ARTISAN』世界最高級クラスの超長綿素材である『スヴィンゴールド綿』を使用した吊り編みスウェットの記事です。
着心地も風合いも抜群なのですが、高級綿『スヴィンゴールド』を使ったスペシャルスウェットだけあってお値段もなかなかスペシャルです。
高級スウェットは買いといえるのか?
今回の記事では以下の項目をメインに書かせていただきました。
- スウェットのディテール解説。
- 高級綿『スヴィンゴールド』とは?
- ブランド別スウェット比較。
ではご覧くださいね。
【ダルチザン】スヴィンゴールドトレーナー 杢グレー

目に飛び込んでくるビンテージスウェット定番ディテールのVガゼットと針抜きリブ。
ディテール解説をしていきます。
両Vガゼット

先ほどは前Vの写真を見ましたが、ロゴの後ろにもVがあります。前後Vガゼットが入っているのがお分かりいただけますでしょうか。
年代的には1930年代~1950年代前半のビンテージスウェットに見られる極めて古いタイプのVガゼットです。
そしてロゴには「MADE IN WAKAYAMA」の文字が入っています。和歌山県は吊り編みの生産地として有名ですね。
セットインスリーブ

普通袖といわれる『セットインスリーブ』も古い年代のスウェットに見られる袖のつけ方ですが、袖つけの方法として多くの年代で使われているので、これだけで年代を判別するのは困難といわれています。
針抜きリブ


上が、『針抜き』仕様のリブ。
下が、通常のリブになります。
※針抜きとは?
針抜きとは編み間で針を抜く(針を編めない位置にし、編進む様にする)事を言います。
http://blog.maruyasu-fil.co.jp/archives/6324
針を抜く事により、編み目を大きくする事や、リブを形成する事、糸を渡らせて柄を形成する事ができます。
針抜きは針をわざと抜くため、通常よりも針を2倍使います。
とても手間のかかるディテールですが、インパクトがありとてもカッコ良いと思います。
余談ですが、ビンテージスウェットで見つけることができたら非常にレアな一品といわれています。
丸胴ボディ

アメカジブランドのスウェットではおなじみのディテールである丸胴。
縫い目が当たらない為ソフトな着心地といわれていますが、1枚で着るわけではないので恩恵はそこまで感じられないと思います。
裏起毛

吊り編みスウェットといえば ”ふんわり感” が前面に出ますが、 スヴィンゴールド綿の恩恵により ”しっとり感” が非常に強い生地です。
生地の色も杢グレーとはいえ、全体が赤みを帯びているのがわかりますでしょうか?原糸の風合いをそのまま生かした色合いで生地が生産されています。
以上が『スヴィンゴールドスウェット』の主なディテールになります。続いては、最大の特徴である『スヴィンゴールド綿』についての解説です。
高級綿『スヴィンゴールド』とは?
インド原産 ”スジャータ綿” とカリブ海の島国が原産である ”海島綿” の交配種により生まれます。
交配した中でも、1番摘みと2番摘みの綿だけが『スヴィンゴールド綿』を名乗ることができ、それ以降に摘んだ綿にはゴールドの名前を付けることができません。(→スヴィン綿となる)
分布図の右上にスヴィンゴールド綿 (綿の中で一番繊維が長く細い) があります。
http://www.dartisan.co.jp/news/2017/05/31/1142/
どれだけ希少価値の高いのかというと「綿の総生産量の0.003%」だと言われています。なんか想像がつきにくいですが、かなり少ない量だということがわかりますね。
産地 インド南部タミル・ナードゥ州
このあたりです。なんとなくイメージつきますか??
綿の特徴
スヴィンゴールド綿は、超長綿といわれているだけあって繊維が細いことに加え油分を多く含んでいるために独特のなめらかさと光沢感があるのが特徴。
肌触り
肌に触れたときの ”吸い付くようなしっとり感” は別格であると思います。
「コットンなのにカシミヤのような肌触り」と言われたりするようですが、スウェットの質感としては今までに感じたことのないような肌触りであることは間違いないです。
>>ダルチザンの公式ブログに、非常に興味深い記事『スヴィンゴールド綿』との比較がありますので合わせてチェックしてくださいね。
スウェット比較
色味比較

- 左がクッシュマンのスウェット(杢グレー)
- 真ん中がダルチザンのスヴィンゴールドスウェット(杢グレー)
- 右がウエアハウスのスウェット(オートミール)
スヴィンゴールドスウェットは、ちょうど中間くらいの色味ですね。
リブ比較

普通のリブと針抜きリブとではずいぶん印象が違いますね。
裏起毛比較

同じ杢グレーにもかかわらず、色味が全く違いますね。
- クッシュマンの起毛は、超ふんわり系。
- ダルチザンの起毛は、なめらかしっとり系。
比べてみると違いは明らかで面白いですよね。
>>比較したクッシュマンのスウェットの記事はこちらです。
高級スウェットは買いか?
良い素材を確かな製法で作っているので『着心地が良い』のは当然のことだと思います。
STUDIO D’ARTISANが生み出す、新しい価値
http://www.dartisan.co.jp/about/brand/
四半世紀を越える歴史の中で、スタンダードなファイブポケットにとどまらず、時にはアバンギャルドなプロダクトさえ生み出してきたSTUDIO D'ARTISAN & SA.が、創業から一貫して守りつづける「モノ作り」のスタイルは、ジーンズをはじめとした古き良きヴィンテージウェアの忠実な再現ではなく、むしろそれらに最大の敬意とオマージュを捧げながら、独自のエッセンスや解釈を加え、新しい価値を創造するということ。
徹底的にプロダクトと向き合うことで、オリジナルをも凌駕する「MADE IN JAPAN」のモノ作りの精神と、伝統を重んじながら自由な発想で新しい何かを創造するフランス仕込みの「クラフトマンシップ」によって、STUDIO D'ARTISAN & SA.のプロダクトは生み出されています。
「スウェットは和歌山の吊り編み機を使って・・・」というのは、アメカジブランドならもちろんのこと、他の衣料業界でも取り入れられており決してめずらしいモノや価値ではなくなっているようにも感じます。
その中でもダルチザンが行っている『生地』への新たなチャレンジには ”楽しさとわくわく感” があると思いませんか?
ダルチザンが創る新しい価値を、”感じてみたい” という方は、ぜひ買って着用して感じてみてほしいと思います。
買う?まとめ。
- スペシャルな着心地を体験したい方
- 人と被りたくない方
- ダルチザンの試みを応援したい方